金沢市のカリスマ英語コンサルタントが語る|迷走する英語教育とバランスの重要性
📚目次(Table of Contents)
金沢市で英語を教える立場から見た、日本の英語教育の変遷
日本の英語教育はどこで迷走したのか
1「英会話ごっこ」の登場とその背景
2 カリキュラムの過剰な詰め込みと現場の悲鳴
3 教育現場に蔓延する「0-100思考」とは?
4 入試制度に見る英語教育の偏り
5 TOEICや英検から読み取る本質的な問題
6 英語カリキュラムの理想と現実
7 文法訳読方式=悪」は本当か?
8 振り子のように揺れる英語教育
9 英会話エスティームの実践と理念
金沢市で英語を教える立場から見た、日本の英語教育の変遷
日本の英語教育はどこで迷走したのか
1「英会話ごっこ」の登場とその背景
2 カリキュラムの過剰な詰め込みと現場の悲鳴
3 教育現場に蔓延する「0-100思考」とは?
4 入試制度に見る英語教育の偏り
5 TOEICや英検から読み取る本質的な問題
6 英語カリキュラムの理想と現実
7 文法訳読方式=悪」は本当か?
8 振り子のように揺れる英語教育
9 英会話エスティームの実践と理念
1 日本の英語教育はどこで迷走したのか
日本の英語教育は長い間迷走してきました。どんなメソッドが日本人に最も適切なのか、何が正しくないのか。私が中学生の頃主流だった文法訳読方式は、いまや"オーラルコミュニケーション"と呼ばれる「英会話ごっこ」に置き換わっています。これは、「学校で英語を学んでも話せない」という英語コンプレックスから「話せる英語」を重視した改革であることは間違いありません。
2 カリキュラムの過剰な詰め込みと現場の悲鳴
しかし、「英会話ごっこ」を賛美する一方で、カリキュラムの詰め込み度は一層深刻化しています。以前は高校で学んでいた現在完了進行形や仮定法過去といった文法事項が中学生におろされ、覚えるべき必修英単語も飛躍的に増加しています。学校現場の先生は悲鳴を上げています。
3 教育現場に蔓延する「0-100思考」とは?

なぜこんなに英語教育は支離滅裂に変化するのでしょうか?私は、その背景にある思考パターンとして「0-100思考」を挙げたいと思います。0-100思考とは、物事を「0か100か」「白か黒か」「成功か失敗か」と極端に捉える思考です。この思考法にはグラデーションがなく、少しのミスや失敗も過大に受け止めてしまいがちです。「試験で100点以外は価値がない」「一流大学や企業以外は人生終了」といった価値観は、生きづらさを生み出す原因になります。
これを英語学習に置き換えてみましょう。文法訳読方式=×(英語が話せるようにならない元凶)、オーラルコミュニケーション=〇、四択文法問題=×、長文読解問題=〇、整序英作文問題=×、自由作文問題=〇、発音アクセント問題=×、リスニング=〇、パターンプラクティス=×、ダイアログ形式会話練習=〇。ある特定の問題や方法は良くて、その他は全くダメという発想にほかなりません。
これを英語学習に置き換えてみましょう。文法訳読方式=×(英語が話せるようにならない元凶)、オーラルコミュニケーション=〇、四択文法問題=×、長文読解問題=〇、整序英作文問題=×、自由作文問題=〇、発音アクセント問題=×、リスニング=〇、パターンプラクティス=×、ダイアログ形式会話練習=〇。ある特定の問題や方法は良くて、その他は全くダメという発想にほかなりません。
4 入試制度に見る英語教育の偏り
こういった単純な二極化は、実際の入試問題にも反映されています。たとえば、大学入試共通テストでは発音・アクセント問題や四択文法問題が完全に姿を消し、読解問題中心の構成に。私大の入試でも同様の傾向が見られます。しかし、このような極端な構成は本当に学習者の利益になるのでしょうか?答えは明白にNOです。以前のセンター試験では、発音・アクセント、四択文法、整序英作文、長文読解、リスニングと、英語力をバランスよく測る構成が採用されていました。私はこれこそが理想的な英語試験だったと思います。
5 TOEICや英検から読み取る本質的な問題

最近、大学生のTOEIC対策を指導する中で、文法問題(TOEIC Part 5)に苦戦する学生が増えていることを実感しています。本来であれば、高校で学ぶ基礎文法で解ける問題ばかりですが、文法軽視の影響がここにも表れています。
英検も語彙、長文、ライティングで構成されています。ライティングについて異論はありませんが、問題は採点の質です。与えられたテーマに基づいたエッセイで、本来の英文構成になっていなくても高得点が取れるケースがあります。たとえば、「I agree with the opinion that... I have two reasons.」というような、英検準1級とは思えない初歩的な書き出しでも合格点に達してしまうのです。
英検も語彙、長文、ライティングで構成されています。ライティングについて異論はありませんが、問題は採点の質です。与えられたテーマに基づいたエッセイで、本来の英文構成になっていなくても高得点が取れるケースがあります。たとえば、「I agree with the opinion that... I have two reasons.」というような、英検準1級とは思えない初歩的な書き出しでも合格点に達してしまうのです。
6 英語カリキュラムの理想と現実
英語カリキュラムは理想と現実のバランスの上に成り立つべきです。30人以上の公立クラスで英語のアウトプット時間を確保するのは物理的に不可能です。かつて文法訳読方式が主流だったのも、そうした制約の中で最大限の効果を得るための選択だったと言えるでしょう。
その物理的制約が改善されないまま、「英会話重視」の教育を推し進めても、本質的な改善にはつながりません。
ここでもう一度、0-100思考に立ち返りたいと思います。従来の方法で成果が出なかったからといって、すべてを否定して新しい方法に飛びつくのは極端な思考です。どんなメソッドにも一長一短があり、完璧な教育法は存在しません。重要なのは、それぞれのメリットとデメリットを正確に理解し、状況に応じたバランスの取れた方法を選ぶことです。
その物理的制約が改善されないまま、「英会話重視」の教育を推し進めても、本質的な改善にはつながりません。
ここでもう一度、0-100思考に立ち返りたいと思います。従来の方法で成果が出なかったからといって、すべてを否定して新しい方法に飛びつくのは極端な思考です。どんなメソッドにも一長一短があり、完璧な教育法は存在しません。重要なのは、それぞれのメリットとデメリットを正確に理解し、状況に応じたバランスの取れた方法を選ぶことです。
7 文法訳読方式=悪」は本当か?
実際、私は文法訳読方式世代の医師を指導していますが、彼の英語力の上達は目覚ましいものがあります。文法知識があるため、英文の構造を深く理解でき、内容のある議論が英語で可能です。他の同年代の生徒さんも着実に英語力を伸ばしています。「文法訳読方式=悪」というのは、何の科学的根拠もない偏見に過ぎません。
8 振り子のように揺れる英語教育

このような教育の振れ幅は、pendulum effect(振り子現象)として捉えることもできます。現在の英語教育は、文法訳読方式から一転して、英会話中心のアウトプット重視型へと振れています。また、共通テストも読解偏重になりすぎています。極端に傾いた振り子は、やがてバランスを取り戻す必要があります。
どんなメソッドにも完璧なものはありません。冷静に、バランスの取れた英語学習を追求することが大切です。
どんなメソッドにも完璧なものはありません。冷静に、バランスの取れた英語学習を追求することが大切です。
9 英会話エスティームの実践と理念
英会話エスティームでは、従来の学習法と21世紀のニーズを融合させた効果的なカリキュラムを、生徒一人ひとりのレベルとニーズに応じて提供しています。英語学習に迷いがある方、ぜひ一度ご相談ください。
英語コンサルタント清水 恭宏(しみず やすひろ)
【プロフィール】石川県金沢市生まれ。立命館大学在学中に英国留学を経験。卒業後も福祉に関心を持ち、イギリスの知的障害者施設で1年間ボランティア活動に従事。帰国後は英語教育に携わり、文科省の英語研究開発指定校・金沢市立南小立野小学校で講師を務めた。
その後、英語教育の質にこだわり【英会話エスティーム】を創設。ETJ(ENGLISH LANGUAGE TEACHING)WORKSHOPでは児童英語教育に関する指導法のプレゼンを行い好評を博す。現在はオンラインレッスンの研究にも注力しつつ、富裕層外国人向けの日本旅行企画や翻訳、英文記事執筆など多方面で活躍。
趣味のクラシックギターもプロ級で、ソロライブやプロとの共演経験も豊富。英検1級を超える難関、ケンブリッジ英検C2 Proficiencyを取得。中学生で英検1級合格の指導実績あり。
英語コンサルタント清水 恭宏(しみず やすひろ)
【プロフィール】石川県金沢市生まれ。立命館大学在学中に英国留学を経験。卒業後も福祉に関心を持ち、イギリスの知的障害者施設で1年間ボランティア活動に従事。帰国後は英語教育に携わり、文科省の英語研究開発指定校・金沢市立南小立野小学校で講師を務めた。
その後、英語教育の質にこだわり【英会話エスティーム】を創設。ETJ(ENGLISH LANGUAGE TEACHING)WORKSHOPでは児童英語教育に関する指導法のプレゼンを行い好評を博す。現在はオンラインレッスンの研究にも注力しつつ、富裕層外国人向けの日本旅行企画や翻訳、英文記事執筆など多方面で活躍。
趣味のクラシックギターもプロ級で、ソロライブやプロとの共演経験も豊富。英検1級を超える難関、ケンブリッジ英検C2 Proficiencyを取得。中学生で英検1級合格の指導実績あり。
[Must-see for English learners] Are you falling into this mindset? 0-100思考の危険性