Content コンテンツ

なぜ英語教育は迷走するか?ー金沢市英会話エスティームの考察

なぜ日本の英語教育は迷走するか?ーその考察

私が英会話エスティームを立ち上げたのは1998年のことでした。その当時はまだ地元で大手英会話スクールが乱立する時代でした。なぜ英語教育は間違うのか?それは大手英会話スクールが提供する劣悪な英語教育そして迷走する国の英語教育政策にあることは間違いありません。私はプロ英語コンサルタントとして、正しい前提に立った最高水準の英語教育を提供することだけを目的にずっと自らのスクールを経営してきました。残念ながら日本の英語教育は進歩するどころか、悪化する一方にあります。耳の痛い話であるかもしれないですが、是非私の意見に耳を傾けて下さい。そしてもし共感できる方は是非、私にレッスンご相談下さい。(なお当校は2022年レスナビ金沢で評判の良いおすすめの英会話教室10選に選ばれました。)では日本の英語教育を蝕む病理について語りましょう。

レスナビ金沢で評判の良いおすすめの英会話教室10選

その1 早期英語教育という非科学的幻想

「英語は子供の頃から始めないとだめだ」という思い込みが激しい風潮の中で、小学校英語教育は科学的議論を行わないまま実行されてしまいました。結果は惨憺たるものです。「英語嫌いの前倒し」にしかなっていないというのが私の個人的見解です。たかが週二回程度小学校で英語をかじって将来におけるメリットはどのくらいあるのでしょうか。そもそも教える先生は英語教育のプロではありません。つまり子どもたちはデタラメの発音で英語を習い始めるのです。これでは最悪の結果しか招かないことは自明です。IPA(国際発音記号)さえ分からない教師が英語を教えるのは、最初からヤブ医者にかかるようなものです。デメリットがメリットを大幅に凌駕する結果になっていますね。

その2 「日本人は読み書きができるけど」という誤った前提

早期英語教育の推進に拍車をかけたのが、「日本人は読み書きができるけど」という誤った前提です。大学を卒業した社会人の方でどれぐらいの方が、不自由なく英語の日常的文献を読めるでしょうか。「読み書きができる」というのはそもそもどういう状態を言うのでしょうか。TOEICで苦労されている方の多くの悩みは最後まで問題が解けない、というものです。それで読み書きができるとは到底言えないのでは。

私はイギリス留学時代一番苦労したのは、同じクラスのヨーロッパの生徒の文章理解力の凄さでした。彼らは問題を解くために問題を読むというレベルを超えて、その書いてある話題について議論する準備が常にできていました。問題を解くことに四苦八苦する大半の日本人生徒とは大違いでした。

日本人の生徒さんの多くは、最近では学校現場における「和訳軽視」の傾向に影響されてそもそも文章をきちんと理解していない生徒さんが非常に多いです。今こそ基本の読み書きに立ち返るべきでしょう。

その3 本末転倒のバランスの悪い英語能力試験偏重

これは非常に悩ましい問題です。最悪の例は大阪府の高校入試制度です。なんと英検二級で入試の英語点数80%、そして準一級で100%保証するという政策をとっているのです。これでは自ら学校英語教育の意義を否定しているようなものです。そもそも英検はそんなに信頼できるテストなのでしょうか。

私見ですが、英検ほどバランスの悪いテストはないと思います。語彙力さえ身につければ何とかなってしまう欠陥テストです。作文セクションが追加されていますが、それも書き方がワンパターン。私のようなプロの英語コンサルタントに手にかかれば容易に攻略できるテストです。

受験テクニックが全て悪い、というつもりはありません。良い試験というのは、その試験合格のために必要な受験テクニック=本質的英語力向上 につながるものです。英検もTOEICも残念ながらその類とは言えません。それらの攻略に必要なテクニックは全く本質的英語力向上とは無関係です。逆に良いテストはIELTSやケンブリッジ英検です。私もCPE(ケンブリッジ英検特級)合格のために準備コースを修了しましたが、そこで学んだ学習戦略は私の英語力全般(プラス今の英語を教える仕事)に大きな影響を与えています。

その4 英語を話せるだけのネイティブ講師崇拝

「あなたの英語の先生はプロですか、それともただ英語を話せる人ですか?}これは私が英会話エスティームを開業した時のキャッチフレーズでした。日本で英語を教えているネイティブ講師の大半は、残念ながら後者です。公立学校で英語を教えているALT(Assistant Language Teacher)も大卒資格があれば誰でも応募できるといういい加減なものです。

彼らの大半は日本人英語学習者の抱える克服すべきハードルなんて全く理解できていません。だから体系的なレッスンなんて提供できるわけがないのです。フリーカンバセーションの延長のようなレッスンに生徒さんは貴重な時間とお金をさくことになります。

冷静に考えてみましょう。あなたは日本語のネイティブですね。だからといって海外で外国人に日本語指導できますか。できないですよね。日本で英語を教えている大半のネイティブ講師はそんなレベルなのです。英語を話せるだけのネイティブ講師を優遇するかぎり日本の英語教育はよくなりません。学習者ももっと賢くならなくてはなりません。耳の痛い話ですが。

その5 空っぽの「英会話ごっこ」推進

現状の日本の英語教育を一言で形容するならば、「空っぽの英会話ごっこの推進」と言えるでしょう。アウトプットは大切です。でもインプットなしのアウトプットは効果ゼロです。発信するには、語彙力、文法力、背景知識、読解力、リスニング力など多岐にわたる能力向上が必要ですが、どれも中途半端な今の現状では「英会話ごっこ」の域をこえることはできません。例えば英語の構文150という名著がありますが、それを採択している学校は非常に少なくなりました。構文力がないのに英語を話すことは不可能です。

最後に

まだまだ言いたいことは沢山あります。日本の英語教育はますます迷走するでしょう。そして英語難民は残念ながら増え続けます。英語教育業界はそもそも「ナンセンスな日本の英語教育」によって需要が生み出されてきたのです。私が1998年よりこの業界で生き延びてきた一つの要因は英語教育は悪化しているから、に他なりません。このブログに共感された方で、もし本気で英語を学びたい方がおりましたら、是非英会話エスティーム英語コンサルタントの清水恭宏までご相談下さい。