English Mastery Insights
英語習得への洞察・知見

「五文型」はもう化石? Windows 95並みの古いOSで英語を語るな!――ロングマン辞書と七文型が教える「真の設計図」

その「完全自動詞」は完全じゃない!――Windows 95レベルの文法OSを今すぐアップデートせよ

はじめまして。石川県金沢市オンライン英会話エスティームの英語コンサルタント清水恭宏(世界最高峰ケンブリッジ英検C2Proficiency 取得)です。

「文法ばかりやっているから日本人は英語が話せない」という言説がいまだに横行していますね。みなさんはどう思われますか。

断言しますが、この説は100%間違いです。原因は文法をやっていることではなく、使っている文法OSが「Windows 95」並みに古いことにあります。

現代のハイスピードなアウトプットが求められる時代に、明治時代からアップデートされていない骨董品を振り回していませんか? 最新のアプリ(英会話)を動かしたいなら、まずその低スペックなOSを今すぐアンインストールすべきです。そしてハイスペックなOSに入れ替えましょう。その最たる例が学校で教えられる五文型です。

1. この文、どこかおかしくありませんか?

まず、次の英文を見てください。

He resides.(彼は住んでいる)
The meeting lasted.(会議は続いた)

日本の学校文法や、多くの文法書(例えば800ページをこえる〇〇〇〇英文法』など)では、これらは「第1文型(SV)」の「完全自動詞」に分類されます。しかし、英語を構築しようとする時、私たちは本能的に違和感を覚えるはずです。


「…で、どこに(reside)?

「…で、いつまで(last)?



この情報が欠けていると、英語としては文が成立しない、あるいは致命的に不完全なのです。これのどこが「完全」自動詞なのでしょうか。「完全」とは、それだけで文が完結するという意味。

この情報が欠けていると、英語としては文が成立しない、あるいは致命的に不完全なのです。これのどこが「完全」自動詞なのでしょうか。

2. 「不完全な完全自動詞」という屁理屈の正体

こうした矛盾に対し、伝統的な文法書はしばしば次のような「屁理屈」を展開します。

800ページをこえる〇〇〇〇英文法では


「完全自動詞の中には、主語と述語動詞のみでは意味が成り立たないため、必ず副詞(句)を伴うものがある。この場合の副詞(句)を義務的副詞(A: obligatory adverbial) という。」



……お気づきでしょうか。これは論理破綻しています。「SVだけで意味が成り立たない」のであれば、それはもはや「完全(自動詞)」ではありません。「独身(自動詞)」を自称しているのに、「妻(義務的副詞)がいないと生活が成立しない」と言っているような矛盾です。

5文型という「古い箱」を死守するために、事実(副詞句が必須であること)を例外扱いし、学習者に「これは第1文型だけど例外的に副詞がいるんだ」という二度手間な暗記を強いている。これが、私たちの英語OSを重くしている「バグ」の正体です。

3. Eastwood が提唱する「七文型」という最新OS

この混乱を極めてクリアに解決してくれるのが、ジョン・イーストウッド(John Eastwood)などが提唱する「七文型」の体系です。彼については日本では馴染がないので、少し紹介したいと思います。

John Eastwood(ジョン・イーストウッド)氏は、英語教育(ELT)の分野において、特に英文法の解説と実用的なガイドで世界的に知られるイギリスの教育者・著者です。

彼について特筆すべきポイントをいくつかご紹介します。
1. 「実用性」を極めた文法家
多くの伝統的な文法家が形式や分類にこだわるのに対し、イーストウッド氏は「実際に英語がどう使われているか」という運用面を重視します。彼の解説は、学習者が迷うポイントに対して常に論理的で明快な回答を用意しています。

2. 代表作『Oxford Guide to English Grammar』
オックスフォード大学出版局(OUP)から出版されている彼の代表作は、世界中の英語教師や上級学習者のバイブルとなっています。

論理的な構成: 単なる暗記ではなく、なぜその形になるのかという「仕組み(OS)」を解説しています。
七文型の採用: 伝統的な五文型の限界を突破し、SVA(主語+動詞+副詞的補語)や SVOA を独立した文型として定義することで、英語の構造をより正確に可視化しました。

3. 学習者への深い洞察
彼は長年、英語を母国語としない学習者がどこでつまずくかを研究してきました。そのため、彼の著作には「一見正しいように見えるが、不自然な英語」を修正するためのアドバイスが豊富に含まれています。

彼の主張する七文型では、副詞句を単なる「おまけ(修飾語)」として切り捨てません。 SVA(主語+動詞+副詞的補語) という独立した型を認め、副詞句(A)を名詞や形容詞と同じ「文の骨格」として正当に格上げします。

この体系を取り入れると、これまで曖昧だった be 動詞の使い分けも驚くほど鮮明になります。

Hiroshi is smart. (SVC) ⇒ [連結動詞]:ヒロシの「性質・状態」を説明(Hiroshi = smart)。
Hiroshi is in Tokyo. (SVA) ⇒ [存在の自動詞]:ヒロシがどこに「存在」するかという場所を指定。

※[連結動詞(Linking Verb)については別記事]で詳しく書いていますが、SVCが「イコール」を作るのに対し、SVAは主語を「空間・時間」の中に位置づける働きをします。

このように「A(副詞的補語)」を認めることで、「場所」や「期間」が、名詞(S)や形容詞(C)と同じレベルの「必須パーツ」であることが論理的に理解できるのです。

SVOとSVOAの決定的な違いとは?「おまけ」か「必須パーツ」か

英語の「第3文型(SVO)」と、発展的な「SVOA」文型。
一見、どちらも「主語+動詞+目的語」の後に何かがついているだけに見えますが、その中身は「カレーにおける福神漬け」と「カレーにおけるルー」くらい違います。

1. 核心的な違い:その言葉を「隠せるか?」
一番簡単な見分け方は、文の最後にある語句を指で隠してみることです。


SVO + (M) :隠しても文として成立する(Mは単なる飾り・おまけ)

SVOA :隠すと文が崩壊する(Aは必須パーツ)



SVO(+M) I ate lunch at the park.


I ate lunch.(私は昼食を食べた)→ 意味は通じる。



SVOA I put the book on the shelf.


I put the book...(私は本を置いた...)→ 「どこに?」が不明で不完全。



3. SVOC との決定的な見分け方
SVOAと間違えやすいのが SVOC です。ここには明確なルールの違いがあります。


SVOC は「O = C」の関係
I found the book easy. (本 = 易しい)

SVOA は「O + 場所/方向」の関係
I found the book in the library. (本 ≠ 図書館、本が図書館にある)

5. ロングマン(LDOCE)――七文型を体現した唯一の仕様書

では、どのツールを使えばこの設計図が手に入るのか。 巷の辞書、例えば『オーレックス』などは「最新刊」「受験に強い」「発信に役立つ」といった景気のいいコピーを並べています。

しかし、その中身を見てみれば、語法ラベルは相変わらず曖昧なまま。肝心なところで「+副詞句」などという、必須かどうかも分からない不親切な表記でお茶を濁しています。これでは発信の助けには全くなりません。

この点において、ロングマン現代英英辞典(LDOCE)は別格です。ロングマンには、次のようなラベルが存在します。


[I always + adverb/preposition]


この "always" という一語に、ロングマンの思想が凝縮されています。

この動詞を自動詞(I)として使うなら、常に(always) 副詞や前置詞をセットにしなさい。

さもなくば文は成立しない。


これはまさに、Eastwood の七文型を辞書のラベルに落とし込んだ、


世界で唯一の「七文型体現辞書」

と言えるでしょう。

5. 結論:OSを入れ替え、本物の道具を持て

私たちは、使い勝手の悪い「最新刊」という名の古い地図を求めているのではありません。
必要なのは、現代英語の挙動を正確に記述した「七文型」という最新OS。 そして、その仕様書として、必須パーツを「always」で明示してくれるロングマンという本物のツールです。
「文法ばかりやっているから話せない」のではありません。「使い物にならない、論理破綻した古いOS」を後生大事に抱えているから、一歩も前に進めないのです。
今すぐ頭の中のOSをアップデートしましょう。 "always" の重みを知る。そこから、あなたの本当の発信が始まります。そのアップデートのお手伝いを私は喜んでします。

🛠 あなたの「英語OS」負荷テスト(上級編)

以下の英文を、Eastwoodの七文型(SV / SVA / SVO / SVOA / SVC)のどれにあたるか判定してください。不必要な修飾語(M)に惑わされず、動詞が要求する「真の設計図」を見抜いてください。

1. Surprisingly, the old man lived quite alone in a small cottage near the coast.
判定:

2. After a long discussion, they finally made their decision in the conference room.
判定:

3. You should always put your passport in a safe place while traveling abroad.
判定:

4. Actually, the mysterious medicine stayed on the shelf for more than a hundred years.
判定:

💡 正解と「OS的」解説
1. 【SVA】



構造: The old man (S) / lived (V) / quite alone (A)


解説: 文頭の Surprisingly や文末の in a small cottage... はただの飾り(M)です。しかし、live が「〜な状態で暮らす」という意味で機能するためには、この場合 [I always + adverb] である quite alone が骨格として不可欠です。

2. 【SVO】



構造: They (S) / made (V) / their decision (O)


解説: 前後の長い修飾語に騙されないでください。made their decision(決定を下した)で意味は完結しています。場所(in the conference room)はあってもなくても文は成立するため、これはAではなくM(修飾語)です。

3. 【SVOA】



構造: You (S) / put (V) / your passport (O) / in a safe place (A)


解説: put は [T always + object + adverb/preposition] の代表格。your passport だけでは「パスポートを……(どうした?)」とエラーが出ます。in a safe place という「場所(A)」があって初めて、この長い文は設計図通りに組み上がります。

4. 【SVA】



構造: The mysterious medicine (S) / stayed (V) / on the shelf (A)


解説: 5文型(Windows 95)なら「薬があった」で第1文型に分類してしまいます。しかし、最新OSでは [I always + adverb/preposition] と判断します。「どこに(A)」がない stay は、場所を特定する文脈では機能不全を起こすからです。

📝 最終判定レポート
全問正解: 素晴らしい!あなたは文の長さに惑わされず、動詞の「中心核」を見抜くスキャニング能力を持っています。ロングマンの仕様書を脳内で自動展開できています。

2問以上ミス: 修飾語(M)と必須要素(A)の区別に「迷い」があります。「そのパーツを消したとき、動詞が泣き叫んで意味が通じなくなるか?」を基準に、もう一度だけ記事の「皮肉な例え話」を読み返してみてください。

5. 結論:OSを入れ替え、本物の道具を持て

私たちは、使い勝手の悪い「最新刊」という名の古い地図を求めているのではありません。



必要なのは、現代英語の挙動を正確に記述した「七文型」という最新OS。

そして、その仕様書として、必須パーツを「always」で明示してくれる

ロングマンという本物のツールです。


残念ながら、この画期的辞書は絶版となりました。ただオンラインでは無料で利用可能です。他の紙の英和辞典を使うのをやめてすぐにこちらに切り替えて下さい。アマゾンマーケットでは中古でまだ購入可能です。

「文法ばかりやっているから話せない」のではありません。「使い物にならない、論理破綻した古いOS」を後生大事に抱えているから、一歩も前に進めないのです。

今すぐ頭の中のOSをアップデートしましょう。 "always" の重みを知る。そこから、あなたの本当の発信が始まります。そのアップデートのお手伝いを私は喜んでします。


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著者プロフィール

英会話エスティーム英語コンサルタントの清水恭宏です。1999年より「一人一人に完全に合わせたオーダーメードレッスン」を提供してきました。現在は金沢市内教室での対面レッスンに加えて、ドイツ・ベルギー・シンガポールでインターナショナルスクールへ通う児童、そして帰国子女、ビジネスマン、医師、受験生、主婦の方まで幅広い層を指導しております。世界最高峰の英語資格であるケンブリッジ英検C2Proficiencyを取得しておりますので、CEFRA1からC1レベルの方まで幅広く指導できます。中学生で英検一級も輩出しており、指導力には絶対の自信を持っております。指導はIPA国際発音記号の徹底で「通じる英語」の基礎を築くことから開始します。初めて英会話レッスンを受講する方、他スクールで学んで成果を上げられなかった方是非私にご相談下さい。

▼ 学歴 ▼
立命館大学産業社会学部卒業。

▼ 海外経験 ▼
イギリス(2年)語学留学でケンブリッジ英検C2Proficiency取得。
Basingstoke市の知的障害者施設で1年働き、実践的コミュニケーション能力を身につけました。
ニュージーランド クライストチャーチ市の Achievement Institute of English の日本エージャントをつとめました。一番大好きな国で五回行きました。その他、スイス・ベルギー、オーストリア、香港、シンガポールを訪れたことあります。

▼ 英語指導・ビジネス経験 ▼
文科省英語教育開発指定校であった、金沢市南小立野小学校で非常勤講師を五年勤めました。中部英語教育学会で「日本人にあった発音指導」という題で発表しました。現在の日本インバウンド事業の草分け的存在である The Real Japan プロジェクトに翻訳者として参画しました。現在は英会話エスティームに専念しております。石川県社会人英語スピーチコンテスト県知事賞受賞歴あり。

▼ 趣味・好きなもの ▼
クラシックギターは20年以上弾いており、去年念願のコンサートデビューを果たすことができました。クラシック、ボサノバ、J-POP、ジャズなど幅広い音楽を演奏します。料理は好きですが、基本がなってないので全て創作です。ですが、味には自信があります(笑)
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生徒さんへメッセージ
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「英語が変わる、未来が変わる」が私の教育コンセプトです。受験生にとっては進学への未来が拡がり、ビジネスマンの方にとっては仕事の機会が拡大し、地元の方にとってはインバウンド観光事業での可能性が拡がります。英語を通じて受講生をポジティブな未来に導くお手伝いをしたいと心から願っております。そのため全身全霊でサポートしますので是非私にご相談下さい。


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