English Mastery Insights
英語習得への洞察・知見

関係代名詞と関係副詞の違いは漢字でわかる!whichとwhereの罠

「場所だから where」の罠。800ページの有名参考書が隠す、関係詞の「致命的欠陥」とは?

突然ですが、次の( )に which と where のどちらを入れますか?


This is the shop( )I wanted to visit.



多くの学校や参考書では、このように教わります。 「先行詞(修飾される名詞)が『場所』や『時』なら、関係副詞(where や when)を使いましょう」
このルールをそのまま適応すると、the shop は「店(場所)」ですから、答えは where……としたくなりますよね。
しかし、正解は which です。


❌ This is the shop where I wanted to visit.

⭕ This is the shop which I wanted to visit.



「えっ、店は場所なのに、なんで where じゃないの?」とモヤモヤしたあなた。安心してください。あなたが悪いのではありません。

悪いのは、この現象をスッキリ説明できない、日本の英語教育の「致命的なバグ」にあります。

1. 伝統的暗記型の限界:英文法の〇〇〇〇の自己矛盾

800ページを超える分厚い文法参考書「英文法の〇〇〇〇」には、関係副詞についてこう書かれています。


関係副詞は、場所や時などを表す名詞を修飾する節を導き、節中で副詞のはたらきをします。関係副詞は、先行詞の内容に合わせて次のようなものがあります…



一見、もっともらしい説明に見えますが、ここには学習者を迷宮に突き落とす最大の欠陥が隠されています。なぜなら、「先行詞が場所かどうか」という表層的な情報だけで関係詞を選ばせようとしているからです。だから、さっきの visit(他動詞)が来た瞬間に、このルールは木っ端微塵に破綻します。

さらに、この解説には恐ろしい「論理の自己矛盾」があります。

「名詞を修飾する節(=形容詞節)を導き、節の中で副詞の働きをする」



「形容詞なの? 副詞なの? どっち!?」と脳がフリーズしませんか? まともな思考力を持った学習者ほど、この支離滅裂な日本語のせいで英語が嫌いになっていくのです。

2. 最先端ビジュアル型の限界:『〇〇〇〇BOOK』の回りくどさ

では、大人気の一歩進んだビジュアル系参考書『〇〇〇〇BOOK』はどうでしょうか。

「先行詞と後続節の『場所を示す空所』が組み合わされる…先行詞 the city は、後続節で I was born in the city という、副詞句として働いているのです」

確かに『英文法の〇〇〇〇』のような暗記型に比べれば、「後ろの文での働き」にスポットを当てようという優しさは感じられます。

しかし、これも非常に惜しい。「関係副詞 = 後ろの文の『副詞句』を置き換えたもの」と言い切る覚悟(品詞の定義)が足りないために、「場所を示す空所を指定する」といった独自の難解な表現を導入する羽目になり、結果として2ページにわたる長くて回りくどい説明が必要になってしまっています。

世界基準と言われる『マーフィーのケンブリッジ英文法(日本語版)』にいたっては、*「where を用いて、場所について説明する関係詞節を作ります」*としか書かれていません。これでは解説通りに素直に読んだ学習者が visit の問題で全滅するのも当然です。

800ページもの大ボリュームを誇りながら、根底にある説明が言語のシステムとして破綻している。これこそが英語教育界の腐った病理です。

3. すべての迷走の始まりは「句と節」の不在

なぜ、トップクラスの参考書が揃いも揃ってこんな妙な説明しかできないのでしょうか。 原因はシンプルです。英語を組み立てるための「ブロックの大きさ(単位)」を、最初の段階でまじめに教えていないからです。

英語の文を解剖するとき、パーツのサイズは3段階しかありません。




■ 単語: 1語

(例:park)




■ 句(Phrase): 2語以上の塊で、〈主語+動詞〉を含まないもの

(例:in the park = 副詞句)




■ 節(Clause): 2語以上の塊で、〈主語+動詞〉を含むもの

(例:where I played tennis = 形容詞節)



この土台を教えないから、「英文法の〇〇〇〇」は「形容詞節なのに副詞の働き」という怪奇現象を地で行くことになり、『〇〇〇〇BOOK』は「空所」というノイズを混ぜざるを得なくなるのです。

4. 間違いの真の元凶:致命的な「自動詞・他動詞」の意識の低さ

「後ろの文に何が足りないかを見ればいい」と分かっても、なお間違えてしまう人がいます。その真の元凶は、学習者の「自動詞」と「他動詞」に対する意識が圧倒的に希薄である点にあります。

多くの人が関係詞で全滅するのは、後ろに控えている「動詞の性質」を完全に無視して、フワッとした日本語訳のイメージだけで選んでいるからです。

先ほどの例文で where を選んでしまう人は、脳内が次のような「日本語の泥沼」にはまっています。
「店は【場所】だな。後ろの文は『私が行きたかった』か。…『店に行きたかった』んだから、場所を表す where でバッチリじゃん!」

これが大間違いの元。英語の visit は「行く」ではなく、「〜を訪れる」という意味の「他動詞」です。他動詞とは、後ろに直接「名詞(目的語)」をガチッと結合させなければ気が済まない動詞のこと。


⭕ visit the shop (他動詞 + 名詞)

❌ visit to the shop (前置詞は不要)



つまり、visit の後ろには「名詞」がダイレクトに入っていなければならない。それが引っこ抜かれて前に出ているのだから、答えは100%関係代名詞の which になるのです。

一方で、本当に関関係副詞の where を使う go(行く)や live(住む)、work(働く)といった動詞は、すべて「自動詞」です。自動詞は後ろに直接名詞を置けません。場所を続けたいなら、必ず前置詞の力を借りて「塊(副詞句)」にする必要があります。

❌ live the shop
⭕ live in the shop (前置詞 + 名詞 = 副詞句)

学校英語は、この「自動詞・他動詞」という動詞の基本性質を生徒の脳に徹底的にインストールすることから逃げています。だから、日本語の「〜に行く」「〜を訪問する」といった訳に騙されて、いつまでもパズルを間違え続けるのです。

5. 参考書がスルーしている「2つの致命的な盲点」

盲点1:「先行詞(名詞)」だけを見て、後ろの「動詞」を見ない仕様
アトラスのように優秀な参考書であっても、要点の一番目立つ場所にはこう書かれています。
「先行詞が〈場所〉なら where」

この書き方自体が、学習者の視線を「先行詞」に釘付けにし、「後ろの動詞の性質を見る」という一番重要なタスクを脳のOSから完全に消去してしまっています。 先行詞が the shop(場所)であっても、後ろの動詞が visit(他動詞)なら、後ろの文は名詞(目的語)を欲しがっている「不完全な文」になります。このとき、文法書が金科玉条のように掲げる

「場所=where」の公式は一瞬で崩壊します。

盲点2:「完全な文・不完全な文」という曖昧なラベル
参考書はよく「関係副詞の後ろは完全な文が来る」と解説します。 しかし、自動詞と他動詞の区別が曖昧な学習者にとって、

This is the shop where I wanted to visit.



という誤文を見たとき、I wanted to visit. の塊は「主語(I)も動詞(wanted to visit)もあるから、完全な文に見える」という錯覚を起こします。

visit が他動詞(=後ろに絶対に名詞を必要とする結合価を持っている)であるという「動詞のOS」が頭にインストールされていないため、何が欠けているのか(空所)を指差し確認することができないのです。

先行詞が『場所』だから where を選ぶのではない。後ろの動詞が、名詞を欲しがる『他動詞』なのか、名詞を必要としない『自動詞』なのか。この動詞のスクリーニング(指差し確認)を教えない限り、日本の関係詞の迷走は永遠に止まりません。

6. 脳内OSの再編:漢字の通り「1秒」で見抜く本質

もう、つぎはぎの暗記ルールや、難解な図解に惑わされるのは終わりにしましょう。 英語の正しい「構造のOS」をインストールすれば、関係詞の違いは「漢字の通り」一瞬で見抜けます。

後ろの文から「何を引っこ抜いて接着剤(関係詞)に変えたか」——それだけのことです。

📌 関係「代名詞」(名詞の代わり)
後ろの文の「名詞」を引っこ抜いて接着剤に変えたもの。
帰結: 主要な名詞が1つ減るため、後ろには「不完全な文」が残る。

📌 関係「副詞」(副詞の代わり)
後ろの文の「副詞句(前置詞 + 名詞の塊)」を引っこ抜いて接着剤に変えたもの。
帰結: 飾り(副詞句)が抜けるだけなので、後ろには主要要素が揃った「完全な文」が残る。

6. 最も大切な事実:どちらも100%「形容詞節」である

最後に、脳内の霧を完全に晴らす決定的な認識をお伝えします。

内側のエンジン(名詞が化けたか、副詞句が化けたか)に違いはあれど、ひとたび関係詞によってガッチャンコされたら、出来上がる塊はどちらも100%「形容詞節」です。

やっている仕事は、beautiful(美しい)や large(大きい)といった、たった1語の形容詞と1ミリも変わりません。前にいる名詞(先行詞)を後ろから修飾している、ただの「巨大な飾り」です。


This is the shop [which I visited]. (私が訪れた ➡ 店)

This is the shop [where I worked]. (私が働いた ➡ 店)


どちらも矢印は前の「名詞」にしか向いていません。「関係詞の塊は、どれほど長かろうが単なる巨大な形容詞に過ぎない」という認識がカチッと頭にインストールされれば、長文を読むときにこの塊をカッコで括って無視できるようになります。

品詞のOSさえ掴めば、あなたの英語の視界は、今日から完全にクリアになります。

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🛠️ 実践:関係詞・本質見極めクイズ(全6問)

あなたの脳内OSが新しくなったか、さっそくテストしてみましょう。 次の( )内に、which または where / when の中から最も適切なものを1語で入れなさい。

①This is the restaurant(  )my brother highly recommended. (これは私の兄が強く勧めていたレストランです。)

②I will never forget the summer(  )we spent in Okinawa. (私は私たちが沖縄で過ごしたあの夏を決して忘れません。)

③The hotel(  )we stayed was very comfortable. (私たちが滞在したホテルはとても快適でした。)

④2020 was the year(  )changed the world completely. (2020年は、世界を完全に変えてしまった年だった。)

⑤They finally found the village(  )was completely destroyed by the storm. (彼らはついに、嵐によって完全に破壊された村を見つけた。)

⑥That is the library(  )I usually do my research. (あれは私が普段研究を行っている図書館です。)

📖 解答と「脳内OS」全解説

which
解説: 後ろの節の動詞 recommended(〜を勧める)は他動詞です。後ろに直接、目的語となる「名詞」を必要とします。つまり、抜けているのは recommended the restaurant の「名詞」。名詞の代わりをするのは関係代名詞の which だけです。

2. 正解:which
解説: the summer(時)だからと飛びつかないでください。後ろの動詞 spent(〜を過ごす)も他動詞です。元の文は we spent the summer(名詞)。時を表す「名詞」を引っこ抜いているため、答えは関係代名詞の which です。

3. 正解:where
解説: 後ろの動詞 stayed(滞在する)は自動詞です。後ろにそのまま名詞を置くことはできず、we stayed at the hotel(そのホテルで)という前置詞+名詞の「副詞句」にする必要があります。副詞句を丸ごと置き換えるので、関係副詞の where が正解。後ろが we stayed という完全な文(名詞の欠落がない)ことからも見抜けます。

4. 正解:which
解説: 後ろの節 [主語] changed the world... を見ると、動詞 changed の前に、文の骨組みである「名詞(主語)」が完全に欠落しています。主語という最強の名詞を置き換えているため、1秒で関係代名詞の which だと確定します。

5. 正解:which
解説: 第4問の場所バージョン。後ろの節の受動態 [主語] was completely destroyed... の「名詞(主語)」が抜けています。どれほど先行詞が場所(village)の意味を持っていようが、文の主語という名詞をスカウトしているため、関係代名詞の which が正解です。

6. 正解:where
解説: 後ろの節は I(主語)+ do(動詞)+ my research(目的語)と、文の主要な名詞がすべて揃った「完全な文」になっています。足りないのは in

著者プロフィール

英会話エスティーム英語コンサルタントの清水恭宏です。1999年より「一人一人に完全に合わせたオーダーメードレッスン」を提供してきました。現在は金沢市内教室での対面レッスンに加えて、ドイツ・ベルギー・シンガポールでインターナショナルスクールへ通う児童、そして帰国子女、ビジネスマン、医師、受験生、主婦の方まで幅広い層を指導しております。世界最高峰の英語資格であるケンブリッジ英検C2Proficiencyを取得しておりますので、CEFRA1からC1レベルの方まで幅広く指導できます。中学生で英検一級も輩出しており、指導力には絶対の自信を持っております。指導はIPA国際発音記号の徹底で「通じる英語」の基礎を築くことから開始します。初めて英会話レッスンを受講する方、他スクールで学んで成果を上げられなかった方是非私にご相談下さい。

▼ 学歴 ▼
立命館大学産業社会学部卒業。

▼ 海外経験 ▼
イギリス(2年)語学留学でケンブリッジ英検C2Proficiency取得。
Basingstoke市の知的障害者施設で1年働き、実践的コミュニケーション能力を身につけました。
ニュージーランド クライストチャーチ市の Achievement Institute of English の日本エージャントをつとめました。一番大好きな国で五回行きました。その他、スイス・ベルギー、オーストリア、香港、シンガポールを訪れたことあります。

▼ 英語指導・ビジネス経験 ▼
文科省英語教育開発指定校であった、金沢市南小立野小学校で非常勤講師を五年勤めました。中部英語教育学会で「日本人にあった発音指導」という題で発表しました。現在の日本インバウンド事業の草分け的存在である The Real Japan プロジェクトに翻訳者として参画しました。現在は英会話エスティームに専念しております。石川県社会人英語スピーチコンテスト県知事賞受賞歴あり。

▼ 趣味・好きなもの ▼
クラシックギターは20年以上弾いており、去年念願のコンサートデビューを果たすことができました。クラシック、ボサノバ、J-POP、ジャズなど幅広い音楽を演奏します。料理は好きですが、基本がなってないので全て創作です。ですが、味には自信があります(笑)
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生徒さんへメッセージ
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「英語が変わる、未来が変わる」が私の教育コンセプトです。受験生にとっては進学への未来が拡がり、ビジネスマンの方にとっては仕事の機会が拡大し、地元の方にとってはインバウンド観光事業での可能性が拡がります。英語を通じて受講生をポジティブな未来に導くお手伝いをしたいと心から願っております。そのため全身全霊でサポートしますので是非私にご相談下さい。


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