
150 Sentences, 150 Stories
【新英語の構文150】無機質な例文に命を吹き込む!私の構文自叙伝
でも……きっと「つまらない」と感じたのではないでしょうか。
確かに素晴らしい名著ですが、いかんせん例文が無機質なのです。そこで、この『構文150』の有用性を証明するために、収録されている構文だけを使って、私自身のリアルな人生のエピソード(自叙伝)を綴ってみました。
無機質だった構文に命が吹き込まれると、驚くほどスッと頭に入ってくるはずです。ぜひブログを読む感覚で、楽しくマスターしていきましょう!お楽しみに。
☕ Story 1:イギリスの洗礼と「当たり前」の壁
まずは、私がイギリスに滞在していた頃の懐かしい(squash、そして少し衝撃的だった)カルチャーショックのお話から。
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構文を使った自叙伝エピソード
ENGLISH
While I was helping my host mother with the washing-up, she suddenly looked at me, perplexed. I had taken it for granted that we should rinse dishes with fresh water, but that was not the English modus operandi. She expected me to take them straight out of the soapy sink.
JAPANESE
ホストマザーの皿洗いを手伝っていた時、彼女は突然、困惑した様子で私を見つめました。私は、お皿をきれいな水ですすぐのは当然のことだと思っていましたが、それはイギリス流のやり方(modus operandi)ではなかったのです。彼女は私に、泡だらけのシンクからそのままお皿を取り出すことを望んでいました。
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構文解説
take it for granted that 〜 「〜を当然のことと思う」「〜を当たり前だと思う」という、日常会話でもビジネスでも頻出の超重要表現です。it は形式目的語(仮の目的語)で、本当の目的語は that 以下の内容を指します。
📌 ここがポイント! 文化の違いに直面したとき、「〜が当たり前だと思ってた!」と言いたい状況で本当によく使います。
【さらに深掘り!】知って得する英語トリビア
日本人からすると衝撃的なこの習慣。実は、イギリスの歴史、気候、水質が絡み合った、彼らなりの合理的な理由があるんです。
貴重な「湯沸かし器(ボイラー)」の歴史:
かつてのイギリスの家庭では、お湯を大きなタンクに貯めて使っていました。一度にお湯を使い切ると次まで何時間も待つため、「泡を流すために貴重なお湯をダラダラ流すなんてとんでもない!」という、節水・節エネルギー精神が根強く残っています。
洗剤と布巾の文化:
イギリスの洗剤は泡切れが良く、成分も植物由来など体に優しいものが主流です。「清潔なティータオル(布巾)でピカピカに拭き上げるから、泡も汚れも一緒に消えてクリーンになる」という感覚なのです。
水質の違い(硬水):
イギリス(特に南部)の水はカルシウムを多く含む「硬水」です。水ですすいでそのまま乾かすと、白い斑点(水垢)がお皿に残ってしまいます。そのため、泡ごと布巾で一気に水分を拭き取ってしまった方が、ガラス製品などもピカピカに美しく仕上がります。
国が変われば「当たり前(granted)」も変わる。まさにこの構文を体現するようなエピソードですね。
🎓 Story 2:人生を変えたサークル選び
続いては、私の大学時代の選択と、それがどう現在につながっているかというお話です。
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構文を使った自叙伝エピソード
ENGLISH
When I started university, I was tempted to join the classical guitar club, but its distinctly geeky atmosphere put me off. I chose the English Speaking Society instead. Had I not made that choice, I would not be the English specialist running Esteem School of English today.
JAPANESE
大学に入学した時、クラシックギター部に入ろうかと心が動きましたが、その明らかにオタクっぽい雰囲気に気後れしてしまいました。代わりに私はESS(英語研究会)を選びました。もしあの選択をしていなかったら、私は今日、Esteem School of Englishを経営する英語のスペシャリストにはなっていなかったでしょう。
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構文解説
Had I not made that choice...(if の省略+倒置) これは If I had not made that choice...(もしあの時、あの選択をしていなかったら)という【仮定法過去完了】の if が省略された形です。英語では、仮定法の if を省略すると、主語と助動詞(ここでは Had)の順番がひっくり返る(倒置が起きる)というルールがあります。
📌 ここがポイント! If を使うよりも、少しフォーマルで引き締まった、ドラマチックな響きになります。「あの時こうでなかったら、今は違っていただろう」と、過去のターニングポイントを振り返る時にぴったりの洗練された表現です。
🌌 Story 3:宇宙のように広大な英語の世界
講師として20年以上が経った今でも、英語に対する私の探求は終わっていません。
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構文を使った自叙伝エピソード
ENGLISH
Although I have been teaching English for more than 20 years, my career is still a journey of continuous learning. The more I delve into English, the more I realize how little I know about the vast universe of the language.
JAPANESE
20年以上英語を教えていますが、私のキャリアは今もなお継続的な学びの旅です。英語を深く掘り下げれば掘り下げるほど、この言語の広大な宇宙について、自分がどれほど何も知らないかをますます実感させられます。
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構文解説
the +比較級~, the +比較級..... 「〜すればするほど、いっそう…になる」という、比例関係を表すお馴染みの構文です。例文では、The more I delve...(深く突き詰めれば突き詰めるほど)、the more I realize...(ますます気付かされる)という形で使われています。
📌 ここがポイント! 学べば学ぶほど自分の未熟さに気づくという、あらゆる学問の真理を表すときによく使われる美しい表現です。
😭 Story 4:大嫌いだった英語が「天職」になるまで
最後は、私の原点。中学時代、勉強も英語も大嫌いだった私が、ある家庭教師との出会いで人生を180度変えられたエピソードです。
😭
構文を使った自叙伝エピソード
ENGLISH
I hated studying in junior high school. After playing basketball after school, I was always too exhausted to study at home. My grades were so dismal that my mother asked my uncle to look for a private tutor. Reluctant though I was, she got me to study with him twice a week. I particularly loathed English. However, my tutor taught me the basics of English grammar so clearly that the seemingly separate rules became connected seamlessly. My English grades improved exponentially, rising from 50 to over 90 out of 100. In retrospect, it was the ultimate turning point in my life. I would not be an English teacher had I not met him then.
JAPANESE
中学時代、私は勉強が大嫌いでした。放課後にバスケットボールをした後は、いつも疲れすぎて家で勉強することができませんでした。私の成績はあまりにも悲惨だったので、母は叔父に家庭教師を探してくれるよう頼みました。気が進まなかった(Reluctant though I was)ものの、母は週に2回、彼と一緒に私を勉強させました。 特に英語は大嫌いでした。しかし、家庭教師の先生は英語文法の基礎をとても分かりやすく教えてくれたので、一見バラバラに見えたルールがシームレスにつながっていきました。私の英語の成績は飛躍的に伸び、100点満点中50点から90点以上にまで上がりました。振り返ってみれば、それが私の人生の究極の転換点でした。あの時彼に出会っていなければ、私は英語教師になっていなかったでしょう。
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構文解説
too exhausted to study(too ... to 〜) 「〜するには…すぎる」、つまり「あまりに…なので〜できない」という否定の意味を含む構文です。「疲れすぎて(exhausted)勉強できなかった」となります。
so dismal that ... / so clearly that ...(so ... that 〜) 「非常に…なので〜だ」という、原因と結果を表す超重要構文です。 1つ目は「成績があまりに悲惨だった(so dismal)ので、母が家庭教師を頼んだ」。 2つ目は「とても分かりやすく(so clearly)教えてくれたので、ルールがつながった」。
Story 5:人生を変えた「あの瞬間」を鮮烈に伝える、感情の英文法
📖 教材参照ナンバー:【構文123】It is + 名詞 + that 〜(強調構文) / 【構文127】否定語(+a)+疑問文の語順 / 【構文115】仮定法過去
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自叙伝エピソードで学ぶ「英語OS」の書き換え
ENGLISH
It was in August 1988 that I had my first part-time job as a juku English teacher. No sooner had I finished the job interview than I was offered 2,000 yen an hour, which elated me. What the interviewer told me then made a lasting impression on me: “If you were satisfied with this, you would not be a professional teacher. I want you to make at least 5,000 yen an hour.” His words drove me to work diligently for the sake of students.
JAPANESE
1988年8月、私は塾の英語講師として初めてのアルバイトを始めた。面接が終わるやいなや、時給2,000円という条件を提示され、私は大喜びした。その時、面接官が私に言った言葉は、私の心に深く刻まれた。「もしこれで満足しているなら、あなたはプロの教師にはなれない。少なくとも時給5,000円は稼めてほしい。」その言葉が、生徒たちのために懸命に働く原動力となった。
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英文法「3つの核心」ディープ解説
1. 運命の輪が回った瞬間をロックオンする【強調構文】
普通の文章なら “I had my first part-time job in August 1988...” となるところです。しかし、ここでは It is ~ that... の強調構文 が使われています。
この構文の正体は、いわば文章のスポットライト。「他のどの時期でもない、1988年の8月にこそ、私の原点があるのだ」という、筆者の強い意志と運命的な響きを冒頭から読者に突きつけます。物語のプロローグとして、これ以上ない強力な導入です。
2. 息をのむ臨場感を生む【否定語の倒置】
“No sooner ~ than...”(〜するやいなや…)という、受験でもおなじみの重要構文です。ここでは否定語(No sooner)が文頭に出ることで、〈had + 主語 + 過去分詞〉という「倒置(疑問文と同じ形)」が起きています。
なぜわざわざ倒置させるのか?それは「感情の決壊」を表現するためです。「面接が終わった」という事実と、「時給2,000円を提示された」という驚きが、一分の隙もなく同時に押し寄せてきた。そのスピード感と高揚感(elated me)が、この文学的で緊迫感のある構造によってリアルに再現されています。
3. 高い視座へと引き上げる【仮定法過去】
“If you were satisfied with this, you would not be a professional teacher.” 面接官が放った、人生を変える一言。ここで使われているのは仮定法過去です。現実には、筆者は時給2,000円のオファーに大喜び(satisfied)しています。それをあえて一歩引いた「仮定の話」に落とし込むことで、面接官はこう迫っているのです。
「(今君は喜んでいるけれど)もし万が一、本当にそのレベルで満足してしまう男なのだとしたら、君はプロの教師にはなれないよ」
この仮定法は、単なる妄想の話ではありません。「現状に甘んじるな、君のポテンシャルはそんなものではない」という、教育者としての厳しくも温かい、強烈な叱咤激励(鼓舞)がこの文構造の中に込められています。
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今日の「英語OS」セッション
「時給のため」から「生徒のため」へ、文脈が駆動する瞬間
この英文が読者の胸を打つ最大の理由は、最後の着地にあります。
His words drove me to work diligently for the sake of students.
時給2,000円のオファーに狂喜乱舞(elated)していた若者が、面接官の言葉によって脳内の「OS」を書き換えられ、最終的には「生徒のために(for the sake of students)」突き動かされる(drove me to...)ようになる――。
文法とは、記号の丸暗記ではありません。自分のパッションや、人生のターニングポイントを、寸分の狂いもなく相手の脳内に届けるための「思考の骨格(OS)」なのです。
あなたにも、人生を変えた「あの言葉」や「あの瞬間」がありませんか?
ぜひ、今回の It is ~ that... や drove me to... を使って、あなたのストーリーを語ってみてください。
Story 6:魔法のメソッドの嘘
☕ Story 6:魔法のメソッドの嘘 【130】 C + V + S の倒置(〜という事実は明白である)
科学的な根拠が微塵もない、英語マスターのための「魔法のメソッド」を売り歩くYouTuberがあまりにも多く、深く失望しています。今回はそんな私の強い憤りと、当スクールの信念を込めたエピソードです。
📘 構文を使った自叙伝エピソード
It is deeply frustrating to see so many YouTubers peddling 'magic methods' for mastering English without a shred of scientific evidence. Obvious is the fact that there are no magic formulas, and I have been emphasizing this exact truth to my students since the founding of Esteem School of English.
JAPANESE.
科学的な根拠が微塵もない、英語マスターのための「魔法のメソッド」を売り歩くYouTuberがあまりにも多く、深く失望しています。魔法の方程式など存在しないということは明白であり、私はエスティーム・スクール・オブ・イングリッシュの創立以来、この真実を生徒たちに強調し続けています。
💡 構文解説
Obvious is the fact that... (〜という事実は明白である)
これは文法の重要パターンである「補語(C)の文頭倒置(C + V + S)」です。
1. なぜ倒置が起きるのか?(基本の形)
この文の元の形(通常の語順)は、以下の通りです。
- 通常の語順 (S + V + C):
[The fact that there are no magic formulas](S) +is(V) +[obvious](C).
主語である
The fact that...の中身(that節)が非常に長いため、そのまま文頭に置くと文のバランスが崩れてしまいます。そこで、「結論(形容詞)を先に言い、長い主語を後ろに回そう」という心理が働き、C + V + S の語順に入れ替わっています。
2. 倒置がもたらす効果
この構文を使うメリットは、大きく分けて2つあります。
- ① 感情・確信の「強調」
文頭にObvious(明白だ!)をいきなり持ってくることで、話し手の強い確信や、安易な方法に逃げる風潮への警鐘をダイレクトに読者に伝えることができます。
- ② 文全体の「流れ(結束性)」が良くなる
補語を前に出して主語を後ろに下げることで、直後の, and I have been emphasizing this exact truth...という文へ非常にスムーズに繋がります。this exact truth(この真実)が指す内容が、直前の主語(that節の中身)のすぐ隣に配置されるため、読者にとって非常に読みやすくなります。
📌 ここがポイント!
- peddle:本来は「行商する」という意味ですが、ここでは怪しい勉強法を「言葉巧みに売りつける」「触れ回る」というネガティブなニュアンスで使われています。
- not a shred of:「微塵の〜もない」。
without a shred of scientific evidenceで「科学的根拠がこれっぽっちもない」となり、安易な勉強法を謳う風潮への強い批判トーンを際立たせています。
Story 7:恩師の二重否定に隠された「本音」
構文106
二重否定(Double Negative)
英語を教えるプロとしての道を歩む中で、私はさらなる高みを目指し、世界最高峰の英語資格である「ケンブリッジ英語検定C2 Proficiency(CPE)」への挑戦を決意します。意を決して恩師に相談した時の、忘れられない一幕です。
When I asked my teacher whether I could go in for the Cambridge Proficiency Exam, I was perplexed by his answer, not knowing how to interpret it: "I would not say it is impossible. You could." This double negative was utterly confusing.
ケンブリッジ英検C2(CPE)を受験してもよいかどうかを先生に尋ねたとき、私はその返答に当惑し、どう解釈すべきか分からなくなりました。「不可能だとは言わないよ。君ならできる」——この二重否定は、当時の私をすっかり混乱させたのです。
💡 構文解説
I would not say it is impossible.(二重否定)
not(〜ではない)という否定語と、impossible(不可能な)という否定的な意味を持つ単語が打ち消し合うことで、結果として「可能である」という肯定の意味を表す構文です。
📌 ここがポイント!
学校のテストでは、「二重否定 = 強い肯定」と機械的に暗記させられることが多いですが、実際の生きたコミュニケーションにおける響きはもっと複雑で繊細です。
もし恩師が単に "It is possible."(可能だよ) と言っていたら、それはただの客観的な事実や、悪く言えば少し軽い気休めに聞こえたかもしれません。
しかし、先生はあえて "I would not say it is impossible." という二重否定を使いました。ここには、次のような恩師の深いニュアンス(本音)が隠されています。
「決して楽な道ではない。むしろ、とてつもなく高い壁だ。だけど、君のこれまでの努力と実力を考えれば、可能性がゼロ(不可能)だなんてことは絶対に言えない。やってみろ」
ストレートに「できるよ」と言わないからこそ、その挑戦の重みと、裏側にある恩師の静かな期待がリアルに伝わってくる、非常に人間味あふれる表現なのです。
また、今回の英文では、以前のストーリーでも登場した「分詞構文(not knowing...)」を再び使っています。
文法は、テストの穴埋めのためにあるのではありません。人間の複雑な感情や、人生のターニングポイントにおける「言葉の重み」を表現するための、最高の道具なのです。
Story 8:ショートカットの罠と、王道という名の信頼
構文089 関係代名詞 what
日々、多くの学習者と向き合う中で、私はある「危機感」を抱き続けてきました。情報が溢れる現代だからこそ、創立以来、一貫して生徒たちに伝え続けているメッセージがあります。
What I have been telling my students at Esteem School of English since its founding is that there is no royal road to acquiring English. Regrettably, too many students seek shortcuts, often influenced by popular YouTubers.
私が創立以来、英会話エスティームで生徒たちにずっと伝え続けていること。それは、英語の習得に「王道(近道)」はないということです。残念なことに、人気ユーチューバーたちの言葉に影響され、あまりにも多くの学習者がショートカットを追い求めてしまっています。
💡 構文解説:関係代名詞の what & 現在完了進行形
この文の主語にあたる What は、「何」という疑問文ではなく、「〜すること、〜するもの」という意味を表す関係代名詞です。
さらに、そこに have been telling(現在完了進行形)が組み合わさることで、過去から現在に至るまで「一瞬も絶やすことなく、ずっと言い続けている」という、メッセージの重みと一貫性を際立たせています。
文頭にこの形を持ってくることで、「私がずっと伝えてきたこと、それはね…」と、一番伝えたい核心へ読者の注目を惹きつける効果(疑似分裂文)が生まれます。
📌 ここがポイント!
学校の文法書では、関係代名詞の what は単に「名詞節をつくる」と無機質に説明されがちです。しかし、実際のコミュニケーションや文章において、この構文は「自分の信念や、最も強調したいメッセージ」をダイレクトに届けるための強力な武器になります。
もしこの文章を、次のようにストレートに始めたらどうでしょうか。
“I have been telling my students that there is no royal road...”
これでも意味は通じますが、どこか淡々とした「事実の報告」のように聞こえてしまいます。あえて "What I have been telling..."(私が伝えてきたこと、それは――) と切り出すからこそ、そこに教育者としての強い覚悟と熱量が宿るのです。
また、後半に出てくる "no royal road"(王道なし) という格調高い表現と、現代の象徴である "YouTubers" という言葉のコントラストも、この文章の響きを鋭くしています。
ネット上には「これだけでペラペラ」「聞き流すだけ」といった安易な言葉(ショートカット)が溢れています。しかし、言語の習得、特に論理的な英語脳(英語OS)を構築していくプロセスには、地道な一歩の積み重ねが欠かせません。
安易な流行に流されず、本質的な学びを提供し続ける――。そんなエスティームのアイデンティティが、この一本の「構文」の骨組みによって美しく支えられているのです。
☕ Story 9:金沢の街角で出会った「小さなベルギー」
☕
Story 2:金沢の街角で出会った「小さなベルギー」
【047】 知覚動詞 + O + doing(現在分詞)
イギリスでの「当たり前」の壁を乗り越えたあとも、私の「言語と文化をめぐる冒険」は続きます。今回は、私が美しい古都・金沢の街角で出くわした、ある興味深い(intriguing)一幕のお話です。
📘 構文を使った自叙伝エピソード
◆ ENGLISH
I came across an intriguing scene in Kanazawa: I heard what seemed to be a married couple speaking English, obviously with a non-native accent. When I asked where they were from, they said they were from Belgium. Since they were each from a different linguistic region there (Dutch and French), they felt most comfortable speaking English as a lingua franca.
◆ JAPANESE
金沢で興味深い光景に出くわしました。夫婦と思われるお二人が英語を話しているのが聞こえてきたのですが、明らかにネイティブのアクセントではなかったのです。どこから来られたのか尋ねると、ベルギーからとのこと。お二人はそれぞれ異なる言語圏(オランダ語圏とフランス語圏)の出身だったため、共通の媒介語(lingua franca)として英語を話すのが一番しっくりくるのだそうでした。
💡 構文解説
「hear + O + doing」 は、「Oが〜しているのが聞こえる(耳に入る)」という、その場の臨場感を生き生きと描写する知覚動詞の重要パターンです。
I heard [what seemed to be a married couple] [speaking] English...
↳ heard(知覚動詞) + O(夫婦と思われる人たち) + doing(英語を話しているの)
📌 ここがポイント!
単に「彼らが話した(speak)」という事実だけではなく、まさにその瞬間に「英語を話している最中の声が耳に飛び込んできた」というライブ感が、現在分詞(doing)を使うことで見事に表現されます。
🔍 【さらに深掘り!】知って得する英語トリビア
🇧🇪 なぜ同じ国の夫婦が「英語」で愛を語り合うのか?
四国ほどの面積の小さな国・ベルギー。それなのに、なぜ国内の夫婦が母国語ではなく「英語」を媒介語として選んだのでしょうか?そこには、ベルギーが抱えるユニークで複雑な歴史と地理的背景があります。
1. 地政学が生んだ「3つの公用語」
ベルギーは北をオランダ、南をフランス、東をドイツに囲まれています。その結果、国内でオランダ語(フラマン語)、フランス語、ドイツ語の3つの公用語がひしめき合うことになりました。
2. 見えない「言語の境界線」
特に北部のフランデレン地域(オランダ語圏)と、南部のワロン地域(フランス語圏)の間には、歴史的・政治的に深い文化の隔たりがあります。首都ブリュッセルは2言語併用ですが、基本的には地域によって明確に言葉が分かれています。
3. ニュートラルな架け橋としての「English」
異なる言語圏のパートナーが出会ったとき、どちらか一方の言語に合わせることは、時にアイデンティティやパワーバランスの面で複雑なニュアンスを生むことがあります。
そこで登場するのが「英語」です。どちらの母国語でもない英語をあえてチョイスすることで、お互いを尊重し合える「中立で対等なグラウンド(lingua franca)」を作り出しているのです。
旅先での偶然の出会いは、言葉の背景にある豊かな文化のグラデーションを私たちに教えてくれますね。
【Story 10】「不完全自動詞」を葬り去れ。脳内に英語OSを組み込む最初の一歩
日本の英語教育の「迷走」を止め、中学1年生の絶壁を乗り越える。私が長年提唱し続けている「英語OS」の再編において、避けては通れない最優先の課題があります。今回は、私の教育理念のバックボーンとも言える、強い決意を込めたステートメントです。
📘 構文を使った自叙伝エピソード
◆ ENGLISH
In reforming English education in Japan, a complete overhaul of grammar instruction is paramount. We must revise grammatical terms so that students can understand them intuitively—starting, first and foremost, by replacing the 'incomplete intransitive verb' with the 'linking verb.'
◆ JAPANESE
日本の英語教育を改革するにおいて、英文法指導の抜本的な見直しは何よりも重要である。私たちは、生徒たちが直感的に理解できるよう文法用語を刷新しなければならない。その第一歩として、何よりもまず「不完全自動詞」という言葉を排し、「連結動詞(Linking Verb)」を取り入れるべきだ。
💡 構文解説
「in + doing」 は、単に「〜するとき(when)」と訳されがちですが、本質は「〜という行為のプロセスにおいて」「〜するにあたって」という、ある活動の範囲や領域を表します。
In reforming [English education in Japan], a complete overhaul...
↳ In doing(改革するプロセスにおいて) + 行為の対象(日本の英語教育を)
📌 ここがポイント! 語彙のロジック
文頭に "In reforming..." を配置することで、「日本の英語教育を改革するという一大プロジェクトにおいて」という重厚なテーマ性と、切迫した必要性を引き出しています。
・complete overhaul:単なる改善ではなく、一度すべて分解して組み立て直す「抜本的改革」
・paramount:importantを遥かに超える「他の何よりも優先されるべき」という強い信念の表現
・intuitively:複雑なパズルではなく、見た瞬間に構造が頭にスッと入る「直感的」な理解
🔍 【さらに深掘り!】脳のブレーキを外す「連結動詞」
💡 なぜ「不完全自動詞」というラベルを今すぐ捨てるべきなのか?
従来の日本の教室では、例えば look や become を「不完全自動詞」という、漢字だらけのひどく難解なラベルで教えてきました。この難解な用語こそが、生徒の脳にブレーキをかけ、英語嫌いを生み出す最大の原因になっています。
1. 世界基準のシンプルさ「Linking Verb」
世界基準の文法であり、ジョン・イーストウッドの「七文型」でも採用されている Linking Verb(連結動詞) という捉え方は、その名の通り「主語(S)と補語(C)をイコールで連結する(リンクする)紐」という、極めてシンプルな役割を提示してくれます。
2. イコール(=)で繋ぐという直感
He is happy.
この文は He = happy.(彼は幸せな状態だ)ですね。
3. 絶壁を取り除き「英語OS」を起動する
難解な用語で丸暗記を強いるのではなく、この「連結動詞」という直感的なアプローチを取り入れることこそが、中学1年生の前に立ちはだかる絶壁をなくし、脳内に迷いのない論理的な「英語OS」を構築するための確固たる第一歩なのです。
🔗 【関連記事】
「不完全自動詞」という曖昧なラベルがなぜ学習者を混乱させるのか?あれほど頑なに伝統的な五文型にこだわる呪縛から抜け出すべき理由について、詳しくはこちらのブログ記事で鋭く切り込んでいます。ぜひあわせてお読みください。
【Story 11】キャリアの劇的な転換(パラダイムシフト)
【構文23】行動を促す動詞+O+to do「Story 11」
コロナ禍という逆境をチャンスに変え、ビジネスやキャリアの劇的な転換(パラダイムシフト)を遂げたストーリーです。WEBライティングやビジネスエッセイの手本となるような、格調高い語彙と洗練された構文が詰まっています。
🇺🇸 English
It was in 2020, when the COVID-19 pandemic was in full swing, that I started offering online lessons to weather the storm. Although I was skeptical of their validity and effectiveness at first, they proved to be a phenomenal success, marking a paradigm shift in my career. Online platforms have enabled me to reach motivated learners irrespective of their location.
🇯🇵 Japanese
コロナ禍の真っ只中であった2020年のこと、私はその難局を乗り切るためにオンラインレッスンの提供を始めました。最初はオンラインレッスンの妥当性や有効性に懐疑的でしたが、それらは驚異的な成功を収め、私のキャリアにおけるパラダイムシフト(劇的な転換)となりました。オンラインプラットフォームのおかげで、場所に関係なく、意欲のある学習者たちにアプローチできるようになりました。
🔍 核心マスター:本時のテーマ
🔴 行動を促す動詞 + O + to do
3文目の enabled me to reach... が、今回の最重要構文です。
今回の重要構文フォーカス
Online platforms have enabled me to reach motivated learners...
- ●【主語(S)】 Online platforms (オンラインプラットフォームが)
- ●【動詞(V)】 enable (〜を可能にする)
- ●【目的語(O)】 me (私が)
- ●【to不定詞(to do)】 to reach (アプローチすること)
💡 WEBライティングのポイント:英語らしい「無生物主語」
日本語では「〜のおかげで、私は…できるようになった」と人を主語にして考えがちですが、英語では「物やツール(Online platforms)」を主語にして、後ろに enable O to do を繋げるのが非常にスマートです。これだけで、文章全体がぐっとプロフェッショナルで洗練された響きになります。
🚀 スコアアップ!差がつく重要表現&構文
WEBライティングやエッセイで使うと、読み手に「英語のセンスが高いな」と思わせるハイレベルな表現です。
① 強調構文 [ It was + 時間 + that ~ ]
It was in 2020... that I started...
単に「2020年に始めました」と言うよりも、「2020年というあの激動の年だったからこそ、始めたのだ」と、ドラマチックに背景を際立たせる効果があります。
② 最高潮で、真っ只中で [ in full swing ]
when the COVID-19 pandemic was in full swing
イベントなどが大盛り上がりしている時だけでなく、パンデミックなどの災難が「猛威を振るっている最中」を表現する際にもよく使われるネイティブ表現です。
③ 難局を乗り切る [ weather the storm ]
weatherは名詞の「天気」だけでなく、動詞で「嵐や困難を切り抜ける」という意味を持ちます。ビジネスシーンで「不況やピンチを耐え抜く」と言いたい時の、非常に知的な比喩表現です。
④ 〜だと判明する [ prove to be ~ ]
they proved to be a phenomenal success
phenomenal success(驚異的な成功)とセットで使われています。ただ It was a success. と言うよりも、「最初は半信半疑だったけれど、結果として大成功であることが証明された」というストーリーのダイナミズムが生まれます。
⑤ 〜に関わらず [ irrespective of ~ ]
irrespective of their location
日常会話でよく使われる regardless of よりも、さらにフォーマルで格調高い表現です。「地理的な制約を克服した」というビジネスの強みをスマートにアピールできます。
📌 編集後記(解説のまとめ)
この Story 11 は、「逆境 ➔ 挑戦 ➔ 疑念からの大成功 ➔ 現在の強み」 という、自己PRやビジネスの成功譚における「黄金のストーリーテリング」で構成されています。
特に enable O to do を使ったシステムやツールの強みのアピールは、履歴書(レジュメ)や会社の紹介文でもそのまま応用できる鉄板フレーズです。ぜひ何度も音読して、フレーズごと自分のものにしてください!
最後に
私の人生を変えてくれたあの家庭教師の先生のように、今度は私が、このブログやスクールを通して、皆さんの英語のルールを「シームレスにつなげる」お手伝いができれば幸いです。
『新英語の構文150』、眠らせておくのはもったいないですよ!生きた英語として、一緒に使いこなしていきましょう。
それでは、また次回の記事でお会いしましょう!Keep on learning!
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最後に
私の人生を変えてくれたあの家庭教師の先生のように、今度は私が、このブログやスクールを通して、皆さんの英語のルールを「シームレスにつなげる」お手伝いができれば幸いです。
『新英語の構文150』、眠らせておくのはもったいないですよ!生きた英語として、一緒に使いこなしていきましょう。
それでは、また次回の記事でお会いしましょう!Keep on learning!
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著者プロフィール

▼ 学歴 ▼
立命館大学産業社会学部卒業。
▼ 海外経験 ▼
イギリス(2年)語学留学でケンブリッジ英検C2Proficiency取得。
Basingstoke市の知的障害者施設で1年働き、実践的コミュニケーション能力を身につけました。
ニュージーランド クライストチャーチ市の Achievement Institute of English の日本エージャントをつとめました。一番大好きな国で五回行きました。その他、スイス・ベルギー、オーストリア、香港、シンガポールを訪れたことあります。
▼ 英語指導・ビジネス経験 ▼
文科省英語教育開発指定校であった、金沢市南小立野小学校で非常勤講師を五年勤めました。中部英語教育学会で「日本人にあった発音指導」という題で発表しました。現在の日本インバウンド事業の草分け的存在である The Real Japan プロジェクトに翻訳者として参画しました。現在は英会話エスティームに専念しております。石川県社会人英語スピーチコンテスト県知事賞受賞歴あり。
▼ 趣味・好きなもの ▼
クラシックギターは20年以上弾いており、去年念願のコンサートデビューを果たすことができました。クラシック、ボサノバ、J-POP、ジャズなど幅広い音楽を演奏します。料理は好きですが、基本がなってないので全て創作です。ですが、味には自信があります(笑)
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生徒さんへメッセージ
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「英語が変わる、未来が変わる」が私の教育コンセプトです。受験生にとっては進学への未来が拡がり、ビジネスマンの方にとっては仕事の機会が拡大し、地元の方にとってはインバウンド観光事業での可能性が拡がります。英語を通じて受講生をポジティブな未来に導くお手伝いをしたいと心から願っております。そのため全身全霊でサポートしますので是非私にご相談下さい。
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